チャバラオオルリ (茶腹大瑠璃) |
写真①

チャバラオオルリ ♂ 成鳥 賞鳥平台 大雪山国家森林遊楽区 台湾
Bird Watching Deck, Dasyueshan National Forest Recreation Area, Taiwan
2012/03/01 Photo by Kohyuh
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写真②

チャバラオオルリ ♂ 成鳥 賞鳥平台 大雪山国家森林遊楽区 台湾
Bird Watching Deck, Dasyueshan National Forest Recreation Area, Taiwan
2012/03/01 Photo by Kohyuh
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写真③

チャバラオオルリ ♂ 成鳥 賞鳥平台 大雪山国家森林遊楽区 台湾
Bird Watching Deck, Dasyueshan National Forest Recreation Area, Taiwan
2012/03/01 Photo by Kohyuh
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写真④

チャバラオオルリ ♂ 成鳥 賞鳥平台 大雪山国家森林遊楽区 台湾
Bird Watching Deck, Dasyueshan National Forest Recreation Area, Taiwan
2012/03/01 Photo by Kohyuh
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写真⑤

チャバラオオルリ ♂ 成鳥 賞鳥平台 大雪山国家森林遊楽区 台湾
Bird Watching Deck, Dasyueshan National Forest Recreation Area, Taiwan
2012/03/01 Photo by Kohyuh
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チャバラオオルリ (茶腹大瑠璃) *214 |
2012/08/10 |
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あのサンケイポイントでは、目的だったサンケイに出逢うことが出来たので、最早その場に留まる理由が無くなった。 お世話になったカメラマンたちには礼を言って、今再び、賞鳥平台に戻って来た次第である。
再会
ここ賞鳥平台では、何か出ているんだろう ・・・ 大勢の鳥撮 とりとり の人たちがファインダーを覗き込んでいた。 例の大学の先生も中央で頑張っていた。 それでも、彼はどこか余裕がありそうである。 そこでサンケイとの出逢いのお礼を言おうと声をかけた。
即座に、『何羽出た?』 と聞かれて、かくかくしかじか ・・・ 『雌が 2羽と雄が 1羽』 と答えると、彼は 『それはよかった』 と応えただけである。 実際に、まぁ、よかった方なのではなかろうか。
そこに生息するものが、全部が全部、一度に現れるわけがない。 毎日のように通ってこそ、全体像がつかめることになる。
cf. 出逢い
チャバラオオルリが出た
私が ・・・ それと聞きく前に、先生は、『あそこに ??? が出てるよ』 と指差ししながら教えてくれた。 ただ、名前をいわれてもさっぱりわからなかった。 これまで、聞いたことがないものだったのだ。 何しろ、"Vivid Niltava" という日本では馴染のない小鳥である。
それに反応して、家内が双眼鏡をのぞきながら 『うわぁー綺麗』 と声を上げたが、私には何も見えなかった。 まぁ、これはいつものことである。
『ほら、あそこ ・・・ 』 と指差されても、一回でわかったためしがない。 だいたい、五六回以上はかかるのだが、そこまで待ってくれる小鳥も少ない。 大概は見逃してしまう。
カメラマンの法則
・・・ ところが、今回は違った。 時間はかかったが、私がファインダーにその姿をとらえるまで待ってくれたのである。 確かに色鮮やかな青い鳥だった。 チャバラオオルリという。
そのとき私は、カメラマンたちの邪魔にならないように、彼らの後ろから撮っていたのである。 それを見かねた先生が、私を一番前に押しやってくれたのだった。
よく言われる笑い話に、カメラマンの法則がある。 それは、『最前列に一番大きなレンズを付けたものが陣取り、小さなものほど最後尾になる』 というものだ。
cf. グロージャーの法則
cf. 好酉の法則
なるほど、この賞鳥平台が人気の理由がわかった。 花の樹あり、実の成る樹ありで ・・・ だから、いろんな小鳥が訪れるようだ。
cf. 聖地とは何か
このチャバラオオルリは、私たちが大勢で覗き見しているにも関わらす、まったく動ずることもなかった。 マイペースで赤い実をついばんでいた。 また、これで美味いのかと、いつも思うのであるが、丸呑みしていたのだ。 (写真⑤)
私は、鳥が食べるもので有害なものがある筈がないという信念でもって、いろんなものを味わって来た。
ハゼの実にしろ、何やらわからぬ赤い実にしろ、まぁ、美味くはないが吐き出すほどのものはなかった。
ただ、果肉が少ないものが多かったから、人間でいえば、ビワにしてもタネを出さずに食べるようなものだろう。 まぁ、美味かろうが、あと(排泄)が大変だ。
丸呑み考
私は思い違いをしているのかもしれない。 丸呑みでは味がわからず、可哀そうなことだと ・・・
しかし、一方で、そんな馬鹿なことはないとも思うのだ。 石ころを飲み込むのとはわけが違う。 そこには何か大きな理由がきっとある筈だ。 単に、満腹感を満たせばよいというわけがない気がする。
カケスが "どんぐり" を丸呑みするように、鳥類では、丸呑みするものが多数派であろう。
そういった彼らは、味わって食べるということはないというか、出来ないというか、むしろ、それがどういう意味なのかということすら、理解できないのではなかろうか。
cf. どんぐりの戦略
・・・ 味はどうでも、とにかく樹になるものや、動くものを食べていれば、それらは間違いなく有機物であり、命つなぐ食べものであろう。
それに付け加えて ・・・ 大きさや色や形や喉越しで判断しているに違いない。 そうすれば、まず、体の害になるものを口にすることはない筈だ。
大雑把にいえば、それが食べものかどうかは、石ころなどの無機物との区別が出来ればこと足りるということになろうか。
cf. カエルの眼
私のチュンを見ていても、種子を丸呑みするにしても、好き嫌いがあるのである。 市販のいろんな種子を混合した小鳥用の餌を与えても、何でもよいのではなく、その中から好きなもの順に選んで食べていたのだ。
要するに、好きだ嫌いだという選択ができるのだ。 このことは、満腹感だけ満たせばよいというものではないことをものがたっているだろう。
・・・ とすれば、美味い不味いといった知覚機能 ・・・ それを味覚といっていいものかどうかもわからない世界だが ・・・ 確かに、彼らもそれを持っているに違いない。
あと味を楽しむ
私は、思うのだが、あと味を楽しんでいるのかも知れない。 丸呑みしたものが、徐々に消化されていく過程で、なんでも味がでて来るものであろう。
その味や香気を反芻したりして、その知覚器官で楽しむことができるのではなかろうか。 その良し悪しを、あらかじめ色や形や喉越しの記憶として持っていると思うのだ。
また、それらが口や喉 のど でなくても、栄養素を吸収したという神経細胞レベルの ・・・ 満腹中枢のように ・・・ その知覚だけでもいいかも知れない。
私たちでも、水だけ飲んで、お腹がパンパンになったからといって、決して満腹感は得られないように ・・・
とにもかくにも、味覚細胞がどうのこうのといった、単に、人間と比較しただけでは駄目かもしれない。
また、丸呑みの習慣を持たぬものが、自分を基準に考えても良い結果は得られまい。
カメラマン気質
このチャバラオオルリは、何という樹なのか知らないが、その鈴なりの赤い実に夢中だった。 それに加えて陽の射し具合がよいのである。
多くのカメラマンたちは、その実をついばむ瞬間だとか、あらかじめ想定している構図だとか ・・・ いろいろと注文が多いのだろう。 いつまでも、粘り強くその瞬間を狙っていた。
一方、私はと言えば、一通り撮り終えたので ・・・ 気になっているミカドキジがいるという場所に移動することにしたのである。
またもやカメラマン
ミカドキジがいると推測する場所は宿舎である鞍馬山荘より、まだ奥になるが、小雪山区域よりは少し手前の地点 (Point 47km) だ。
面白いというか、何というか ・・・ どうしてサンケイにしろ、ミカドキジにしろ、決まってピンポイントで同じ場所に現れるんだろうか。 まぁ、どんな小鳥でも似たようなものだが、それが極端すぎるような気がする。
cf サンケイポイント
cf. 聖地とは何か
・・・ そこにも鳥撮 とりとり の人たちが 10名ほど待機していたのだ。 昨日通ったときには誰もいなかったのに ・・・ 今日はよほど日が良いのかも知れない。
cf 鳥撮人と鳥観人
あの賞鳥平台は、ビジターセンターでくれたパンフレットにも鳥観
とりみ の絶好の場所として記載されているのだが、ここのミカドキジポイントの情報はどこにも載っていない。 ただ、バーダーには既知の情報として知れ渡っているのだろう。
あのサンケイポイントと同じように、彼らと一緒にこの場で待っていればミカドキジに出逢えたのかも知れないが、明日は玉山へ向かうことにしているので宿舎に引き上げることにした。
もちろん、玉山にもミカドキジがいることを知っていたから心の余裕があったのだ。 日はまだまだ高かったが、明日は長距離の移動になるから ・・・ ゆっくりするに越したことはない。
ご厚意に甘えて
鞍馬山荘のロビーに入ると、カウンターの周りは賑やかだった。 ・・・ 見ると、あの大学の先生を中心に話の輪が出来ていたのだった。 先生は私の顔を覚えていてくれた。
カウンターの人が私のことを 『どこのだれべえ ・・・ 』 など紹介してくれたのでろう、自己紹介の代わりに彼は、名刺をくれたのである。
私は、今日、大変お世話になったお礼と、先ほどミカドキジを見に行ったが逢えなかったことを報告した。 そして、明日は玉山に向かうことを伝えた。
・・・すると先生は、カウンタの人たちに何やらしゃべっていたのだが、当の彼らは迷惑そうな顔をして頭を横に振ったりしていた。
そのあと、『明日朝 6時に駐車場においで、ミカドキジを見に行こう』 と言ってくれたのだった。 そうか、カウンタの人たちが頭を横に振ったりした理由がわかった。
そのとき先生は、・・・ 『お前たち、連れていってやれ』 と言ったのではなかろうかと推測している。 いくらなんでも、ビジターセンターの人がそこまでは出来まい。
明日の玉山の宿は、一泊分は電話で予約がとれていたから、17時前に到着すれば問題ないだろう。 一方、この話は願ってもないことなので、ご厚意に甘えることにした次第である。
★同定の理由 *214
・背部は光沢のある深い瑠璃色
・胸部と腹部は鮮やかな橙黄色
★名前の由来
チャバラオオルリの名前の由来は、"茶腹オオルリ" と書きかえれば ・・・ "腹部が茶色いオオルリ"
ということがわかる。 ここで、橙黄色だ、茶色だ、などと言い争うのは無益な話であろう。
★渡り *214
チャバラオオルリは、中国南部、ミャンマー北部などにも生息する。 しかし、台湾に生息するものは、特有亜種 (台湾) として、山地の低部から中部に留鳥として生息する。 そして、夏季は山地中部に、冬季は山地底部に移動する。
特有亜種/固有亜種
台湾では特有亜種、日本では "固有亜種" と呼ばれるもので、亜種のレベルで見れば "固有種" に相当するものをいう。
★食べもの *214
チャバラオオルリの食性は植物食で、主に、液果などを採餌するが、その他に、昆虫、及びその幼虫なども捕食する。
英名の意味 |
vivid |
(色彩・光などが) 鮮やかな
鮮明(強烈)な、生き生きとした、生気にあふれた |
Niltava |
ヒタキ科 アオヒタキ属の小鳥 |
by パーソナル英和辞典より引用 |
cf. ツィート過去ログ連動
(1)_twitpic Feb 29, 2012 レンタカーで大雪山を目指す
(1)_twitpic Mar 01, 2012 大雪山のご神木を見に行った
(1)_twitpic Mar 02, 2012 大雪山から玉山に向かう
補注
今回は、数日遅れではあったがツィータ twitter およびツィートピック twitpic を利用して、旅先から投稿した。 その過去の記録と連動させることによって本文を補強する。
ここで日付は現地時間である。 時差は考慮していないので、多少のずれが発生するかもしれない。
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