« 東欧編 メニュー | トップページ | 白タクにやられた! »

スリにやられた!





 2008/07/06
スリにやられた! アテネの地下鉄にはご用心 次へ

 2005年 5月 19日
 これまでスリには何度も出会っていたが、重要課題として、それなりに対策や注意を払っていたので、被害の経験はなかった。


《その一》
 ナポリの超満員のトラムでは、ジプシーの女がピーピー泣く子をあやしながら近づいてきたので、怪しいと睨んでいた。 とにかく離れようと移動するが、気がつくと近くにいたりする。

 よけい怪しいので、さらに距離をとっていたつもりだったのだが、降りがけに誰かがポケットに手を触れたのを感じた。 同時に、私はその手を払った。 そのとき赤いスカーフが飛んだのを見た。 手口を隠すものだろう。

 いかにも妖しかったので、私も混雑しているのにもかかわらず、わざわざそれを掻き分けて距離を取っていたのである。 それが、下車するときには、すぐ後に来ていたのである。 女は何かぶつぶつ言いながら、そのスカーフを拾った。




 また、ナポリのバスで3人の挙動の妖しげな男に囲まれたが、車内はがらがらだったので何事もなかった。 大体、がらがらの乗り口付近に居るのに、わざわざ降り口の方から一人二人とやってきたのであるから普通じゃぁない。




《その二》
 マドリッドのバスでは、横の客がポケットに手を入れたのに気付いて、その手を脇に挟んで抜けないようにして置いて、その男と顔を見合わせながら、お互い、にやりと笑って見逃してやる余裕があった。





《その三》
 バルセロナのメトロでは、学生らしき若い女の子が私の傍に立った。 私は、そ知らぬ顔をしていたが、嬉しかったのである。 とにかく美人であったし、彼女の胸元がちょうど私の腕の高さであったから。

 開かない方の扉の隅を背にして家内が立っている。 私は向かい合うようにして、右手で手すりを握っていたのである。 これも用心のためである。

 気がつくと女の子の胸が、ますます私の腕に触れそうになるのである。 混雑している訳でもないのに、彼女の方から接近してきたのであろうか。 私は腕の位置を変えなかった。 こうなると、気色悪い筈がない。 スリの気配など感じる訳がない。

 私は、電車が横揺れしたりして ・・・ などと、あらぬ期待をしていた矢先、家内が動き出してショルダーバッグを抱え込んだ。 セーターで隠した、彼女の手が伸びて来たのを見たそうである。 私からは、全くの死角の外の出来事であった。

 丁度、そのとき電車はホームに滑り込んで、女は知らぬ顔で降りていった。 男心と、電車の到着のタイミングを承知してのことであろう。

 その一部始終を近くにいたご婦人が見ていたようである。 『注意しないといけないよ』 と声を掛けてくれた。 現地の人は外国人である私たちが目に付き易いのであろう。 だからこそ、私たちの様子を窺う不審な人物にも気がつくのに違いない。

 あるとき、地下鉄の駅で大きな重たいハードケースを前に置いて、一息入れていたら、通りがかりの人が "気をつけなさいよ" と目配せしてくれた。 こんな重たいものを持って行かれるとは考えたこともなかったが、不審な人物が眼についたのであろう。





《その四》
 これもバルセロナだったと思う。 広場で大道芸人を囲む大きな輪に加わって観ていた。 やはりポケットに触れる気配を感じて、その手を払った。

 するとチャリンチャリンという音がして、男がぶつぶつ言いながらしゃがみ込んだ。 犯行をごまかす手でもあり、次のチャンスを狙った、絵に描いたような手口である。 その手に乗るもんかと、その場を早々に後にしたものだった。



 その他、まだまだあるのだが、スペインやポルトガルでは外国人旅行者に対して、若者がゲーム感覚でスリを働いているような気がする。 その点、手口のレベルが低いかもしれない。

 一方、ナポリや今回のアテネはプロがいる。



§ スリの手口
アテネの地下鉄
アテネの地下鉄
2008/05/19 Photo by Kohyuh
 はじめは家内と向かい合うようにしてドアの近くにいた。 がらがらではなかったが混雑しているほどでもない。 ただ、空席はなかった。 もちろん、どの駅で降りるかは二人とも承知している。

 途中の駅から乗ってきた男が、私たちの間に肩を入れるようにして割り込んできたので、その場を譲った。 こういう男には気を付けなければならないことは百も承知である。 注意深く、その挙動を見守っていた。




 男は片手でつり革を握り、もう一方の手をその腕に置き、いかにも手出しはしませんよ、という風に見せつけるものだから、私はますます怪しいと思って見守っていたのである。
 

 すると、さらに別の男が割り込んできた。 ビニール袋を持った男もいた。 これも妖しそうである。 いつの間にか付近が混雑して、家内の姿がよく見えない。 怪しい男が何人も居るので注意力が分散してしまったが、それでも挙動不審な手の動きがないか見守っていた。 それが、まったく予想外の行動をとろうとは思ってもいなかったのである。

 緊張感を持って周囲を見守っていたちょうどそのとき、目的の駅に付いたのである。 ドアが開いたので、何事もなかったと安心して外へ出ようとすると、混雑して身動きできないのである。 もみ合いになった。 家内の方も同様である。

 これは危ない状況だなと感じたときになって急にスペースができた。 私はとっさに男のビニール袋を取ったら、にやりと笑って両手を上げた。 仕方なく、それを返してホームへ降りたら、家内がバッグを点検しており、そのチャックが開いていたと言う。

 中の財布の一つがなかった。 たまたま、円に換算して5千円ほど入れていた方だったので、カード等の被害はなかった。 これは、不幸中の幸いと言うべきであろう。 もっと被害が出ていてもおかしくない状況であった。

 家内は、もみ合いになったとき、私がスリにあったと思ったそうである。 そんなところにも油断が潜んでいるかもしれない。 スリのプロに囲まれたら逃れるのは難しい。




§ 対策
 このようなスリのプロに囲まれたとき、どうすれば被害を免れることができるか考えてみる。

 思うに、怪しいと感じたら、やはり怪しいものである。 暑いのにセーターを持っていたりする。 こういう場合、その場から離れることが先決である。 それも電車が動いている間に移動するのが良い。 走行中なら集団で阻止するような真似は出来ない筈だ。 要するに、乗降時が危ない。



 一人旅ならともかく、二人で落ち着いて協力すれば、移動を阻止しようとする者たちも、人目があることであり、大胆不敵なことはできまい。

 互いに声を掛けあって、電車が動いている間に行動すべきであろう。 また、この際、降車予定駅のことについては、こだわらないで行動すべきであろう。

 一旦、移動することが出来れば、彼らが追ってくるというのは難しかろう。 仲間に連絡するにしても、何十人も居る訳がない。

 やはり、出入り口付近は危険かもしれない。 座席が開いていれば、座っているのが安全だ。 それでも、いつかは降りないわけには行かない。 そのときが危ないだろう。

 何しろ、囲まれているのであるから、降りるにしろ、降りないにしろ、彼らは "もみ合い状態" を作ることが出来るからである。

 例え、自分が彼らの動きに対して、あらがわず、身を任せたとしても、もみ合いになるであろう。 それは、彼らが作る渦潮に浮かぶ泡のようなものであるから。




 また思うに、携帯電話の普及は彼らの悪巧みに有利に働くのではなかろうか。 日本人ならずとも、外国人観光客のカモを発見したら、仲間を呼び集めることが容易であるからだ。

 あるとき、車内で電話を架け出した女が近くにいた。 しばらくすると男がやってきたのである。 いかにも怪しいではないか。 早々に、その場を退散したのは言うまでもない。


 などと、一度被害に遭うと、その後遺症であろう、いらぬことまで想像してしまう。 良いのか悪いのか、いづれにしろ、これが現実である。





スリにやられた! アテネの地下鉄にはご用心
次へ





Copyright (C) 2004-2017 八幡次郎好酉





















« 東欧編 メニュー | トップページ | 白タクにやられた! »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。