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ヴェルギナの古代遺跡





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 数百メートルもの高さの奇岩が林立し、その各岩山の頂上に修道院がある、ギリシャでも特異な風景を織りなす、世界遺産メテオラ Meteora を後にしたのは、2008/05/26 午後2時過ぎだった。 一路、ヴェルギナ Vergina を目指す。


ヴェルギナ Vergina
 ヴェルギナは、ギリシャ共和国の中央マケドニア地方に属する町。 テッサロニキから南西に80km、ピエリア山の山麓に位置する。 人口は 2,000人。 古代マケドニア王国の首都アイガイとされる遺跡が存在する。 この遺跡は1996年に 「ヴェルギナの古代遺跡」 として 世界遺産 に登録された。
 by Wikipedia



 走行予定距離は約150km (推定) であるが、その内、90kmほどは高速道路であるから2時間強で辿り着けるであろう。 例によって、ホテルの予約はないが、明るい内の到着だから何とかなる。

 高速道路に入ると、まだ出来たばかりという感じで、車の往来は少なく、マイペースで走れた。 私の場合、一般道路でも、高速道路でもよく似たもので、時速 80k ほどである。

 マイペースといったのは、高速道路だと、皆さん 130-150k ぐらいで飛ばすから、嫌々ながら流れに乗ってしまうからである。 また、一般道路で 80k は早すぎると思われるかも知れないが、こちらではそれが普通以下で、私の場合、後から急かされることになるから、これもまた、嫌々ながら走ることになる。






§ 道を譲るサイン
 ギリシャだけかも知れないが、路側帯に片足かけて走る車をよく見かけた。 
cf. 写真(下)  誰に教わるまでもなく、『どうぞお先へ。 道を譲りますよ』 というサインであることはすぐ分かる。 ところが、完全に路側帯の上を走るものもいたから分からない。 そこまで遠慮しなくてもと思うのだが ・・・



Vergina_e90
路側帯に片足を乗せて走るトラックは、道を譲るサイン (高速道路 E90 にて)



 がらがらの高速道路では、この走り方はあまり意味がないようだが、これが一般道路となると話は別である。 一般道路は対面通行が普通で、分離帯は白線を引いてあるだけである。 ただ、偉いと思うのは、幹線一般道路では必ず、車一台が通れるほどの路側帯があったことだ。

 そこを走っていて気づいたが、それは単に、道を譲るだけのサインだけではなかった。 こういった走り方を当てにして、対向車がセンターラインを大きく割り込んで追い越しをするのである。

 何気なく運転していると、私の車線を対向車が向かって来るのが眼に入って、はっとさせられたのも一度や二度ではない。

 追い越しをかける側は、緊張感を持って運転しているのでよかろうが、こちらは自分の道と思っているから、のんびり走りたいのである。 それを対向車に占領されたら危なくてしょうがない。

 追い越される方から見ると、『よくまぁ 危ない追い越しをかけるわ』 と、対向車がすぐそこに見えているのに追い越していったものだった。

 路側帯に片足かけて走るのも、道を譲るサインだけではなく、こういった対向車の無謀な運転に巻き込まれないようにするための自衛策と考えるようになった次第である。







§ 料金所は工事中
 いよいよ高速道路から降りる段になったところで、当然のことではあるが、料金所が現れた。 ところが居るはずの係員が誰もいなかった。

 恐るおそる通り抜けると、建設作業員やら工事の車が見えたりして、料金所そのものが建築・整備中であることが分ったのである。 一時間も走って、ただ! であった。

 これが、日本の高速道路であれば大儲けした気分であろうが、こちらではせいぜい数百円程度である。 大したものではない。 要するに日本は高すぎるということだ。 今気づいたが、何処から乗ろうが、市内に入らなければ料金所はない。 一旦市内に入ると、そのまま料金所まで誘導されるシステムのようであった。





§ ヴェルギナ考古学博物館 (世界遺産) はどこ?
 高速道路をおりて、標識を頼りにヴェルギナを目指すが、田舎道が何処までも続くだけで、辺りの風景からは、名だたる観光名所や世界遺産を想像させるものが何も読み取れなかった。

 その感覚は、いよいよヴェルギナの街に入っても変わることはなかった。 シティーセンター city center と書いてあったから間違いないのだが、どこにでもある住宅街のようで、観光地という感じもない。 また、午後4時ごろであったから、暑い最中で、人影も見えなかった。




世界遺産の名前 地区 種別 登録年
アイガイの古代遺跡 (現在名ヴェルギナ)
Archaeological Site of Aigai
(modern name Vergina)
ギリシャ 文化遺産 1996年

【注】 10項目ある基準の内、以下の二つを満たしているとして登録された。
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。




 先ずは、世界遺産の考古学博物館へ行ってみようと、それらしき建物を探すが見当たらなかった。 それに、人の姿が見えないのだから聞きようもない。

 本来なら、この辺りに車を停めて、歩いて見て回るのであるが、何しろ暑くてその気が起こらない。 仕方なく車で見て回ると、考古学博物館の駐車場があった。 看板でそれと分かる。 また、世界遺産のシンボルも書かれてあった。 不思議なことに、それでも、立派な建物は見えなかったのである。


Vergina_museum
ヴェルギナ考古学博物館 vergina museum







Vergina_museum_closed
[月曜日は休館] の掲示発見
§ 帰るに帰れない
 暑いのに、半信半疑で人影のない道をあるていると立派な門が目に入った。 閉まっていたが、覗いてみると大きな古墳らしきものが見えた。
 
cf. 前項の写真

 どうやら、ここが考古学博物館らしいが、博物館らしくない。 ただ、古墳が見えるだけではないかと、予想を裏切られた感じがしたものだった。




 そのうえ悪いことに、今日は月曜日で、「月曜日は休館」 と閉ざされた門に掲示されていたのである。 ガイドブックには "休みなし" と書いてあったのに。  cf. 写真(右上)

 後で分かったが、それが博物館であった。 その墳墓を上手く利用して、その地下が博物館になっていたのである。 発掘に従事した人が、宝物を初めて目にした時の喜びが伝わるような展示方法というのか、リアリティ溢れるもので、立派というしかない。


ただ、このときは未だ知らなかった。







Vergina_tomb
 一体何があったのだろう。 ヴェルギナの街自体が休みのようであった。

 仕方なく、この辺りにあるという、古代マケドニア人の墓の遺跡を見に行くことにした。

 標識に従って、街外れの細い道を山手に走ると、それは直ぐに見つかった。 外から見る限りまだ、発掘途中のようである。


 ところが、これもまた、柵がめぐらされており、人影もなく、しかも施錠されていて、中には入れない。 ただ、入って見ても、私にはその価値が分からなかったであろう。 金銀財宝が見えるわけではなかった。






Vergina_tomb2
古代マケドニア人の墓 Macedonian Tomb



 まだ、陽は高いし、次に訪れる予定のテッサロニキはすぐ近くである。 観光地らしいところが何もない (・・・ と思っていた) ここに泊まるより、先に進んだ方がいいかも知れない。 『行こうか』 というところまで話は進んでいたのである。

 それでも、ここまで来て世界遺産を見逃すのも惜しいし、飛び回ってばかりいたから、この辺りでのんびりするのもいいかも知れないということになった。 それが思いがけない出逢いを用意してくれいた。 不思議なものである。






§ 出逢い
 ここに泊まるなら、このホテルと決めていたところがあった。 ヴェルギナで泊まると決めて、ここまで来たのであるから、博物館探しなど、ウロウロしているときに、私好みの B&Bクラス のホテルを見つけていたのである。

 ここで、B&Bクラスといっては、このホテルから叱られるかも知れない。 家族経営の温かみのある雰囲気を感じさせるホテルという意味である。

 "Hotel Olympia" Vergina Imathia Greece Tel. 23310 68052
 http://www.xenonasolympia.gr/




どこもボスは同じ?
 1階にレストラン (看板がなかったので、単に、宿泊者向けかも) があり、2階が部屋になっていて、建物の造りもいかにも新しく、清潔そうであった。 早速、泊まれるかどうか聞 いてみると、対応にでてきたのは、旦那さんであろう、二つ返事でOKしてくれた。

 次に、料金はいくらかと聞くと、『ボスは妻だから、私は分からない』 とニヤリと笑って奥さんを呼んだ。 その様子を見て、家内が 『うちも同じよ』 と言ってよろこんだものである。

 現れた奥さんは、なるほど貫禄があった。 私より頭一つ大きく、貫禄がある体形ではあったが、均整が取れて、物腰も穏やかで、しかも、ギリシャ美人である。 これでは旦那ならずとも、亭主関白で鳴らした日本男児たる私でも、頭が上がらないだろう。

 cf. やはりボスだ




温かなまなざし
 まだまだ陽が高かったので、散歩に出かけることにした。 双眼鏡とカメラをぶら下げた、いつもの鳥観 とりみ 姿である。 しかし、この時間帯で外を歩く人は少ない。 街の家々では、庭の木陰のベンチに腰掛けて、家族でくつろいでいるようだ。

 アテネでは連日のように、街頭の気温表示機が40度を示していた。 さすがに暑かったが、木陰に入ると涼しかった。 要するに、湿度が低いということだろう。 ここヴェルギナでも同じである。 家の中で過ごすより、木陰がよほど気持ちが良い。

 かって、日本でも、陽が落ちると家の表に床机を出して、家族ぐるみ、街ぐるみで、夕涼みをした時代があった。 いま思い返せば、隣近所の人や、通りがかりの人など、老若男女、世代を超えて、交流の場にもなっていた。 そのことが懐かしく思い出されたのである。


 私たちが通りかかるのを見かけると、それぞれに、笑顔で手を振ってくれたり、声を掛けてくれるのである。 それは、私たちが珍しいということもあったかもしれないが、戸外でのくつろぎの時間が醸し出す、穏やかで、和やかな雰囲気がそうさせるのであろう。




主と従と ・・・
 単に、鳥観 とりみ に出かけただけではない。 それはあくまで従のことで、主は、街を観るためであり、また、当面の課題である夕食をとるレストランを見つけることであった。 このホテルにも立派なレストランがあるのに、夕食は摂れないといっていたからだ。 大体、何処でも、まだシーズンオフだった。

 cf. 何ごとも 2項式



 それが、街の中心部をぐるりと回って見たが、あるのはあるのだが、開いている様子ではなかった。 一軒のレストランらしきとこころで、男性が一人、テラスで食事しているのを見かけただけである。

 スズメイエスズメシラコバトツバメニシイワツバメホシムクドリ、そして、たぶん、ヨーロッパアマツバメがいた。




 とにかく、こういった場合、ホテルでおすすめのレストランを聞くのがよかろうと、途中、休みがてらフラッペを飲んで引き返すことにした。 普通の民家にひさしが日陰を作っているだけの、看板も何も無い、およそ喫茶店らしくない店があったからだ。 男二人が小さなテーブルに座って、のんびり暇つぶしをしていたから喫茶店なんだろう。 ここを逃せば、しばらくなさそうである。 たまらず飛び込んだ。




 フラッペ 【frappe フランス】 by 広辞苑第四版より
 かき氷 frappe に、リキュール類または、シロップなどをそそいだ飲み物や冷菓のこと。


 ギリシャでは、リキュール類の代わりに、インスタントコーヒー(主にネスカフェ)が使われる。 うる覚えではあるが、見ていると、
 先ず、グラスにインスタントコーヒーと氷と水とシロップを入れて掻き混ぜ、泡立てたあと、上から甘い生クリームを入れる。 その上に、シナモンだろうか、少し振りかけることもあるが、リキュールは入れない。


 また、甘さの加減と、クリームの要否を、注文の際に聞かれるのが普通のようである。 ストローで飲むが、はじめは、アイスコーヒーで、次に甘味のあるクリームの層に移り変わってくる、その変化が楽しい。 味は店によって異なり、千差万別であるが、夏のギリシャにはお似あいだ。

 cf. アイリッシュ・コーヒー
 cf. コーヒーのこと
 cf. コーヒーを注文したのに ・・・
 cf. ベトナムコーヒー





§ 温かなおもてなし
 ホテルに帰って、ボスにレストランのことを聞いてみた。 すると、今日は何処も開いていないという。 それでも、心当たりのお店に電話を架けて聞いてくれたが、結果は同じであった。

 仕方なく、例の、見かけたレストランにでも行ってみようと思っていたら、スープならあるが、それでよかったら用意できると言ってくれた。

 それは願ってもないことである。 とにかく、ギリシャでは、必ずと言っていいほど、スープを頼んだものだった。 薄味で日本人の口にあったからである。




§§ 絶品のスープの味
Vergina_table
ホテルのレストラン
 それではとテーブル席に案内された。

 ボスは、テーブルクロスを敷き、スプーンやフォークを並べだした。 みるみる内に、雰囲気のあるレストランに変わっていった。

 身のこなしも軽い。 まさに、レストランにいるようだ。 それはそうだろう。 シーズン中はオープンしている筈であるから。





 ただ、今日のようにボス手ずからのサービスとは限らない。 旦那さんかもしれないし、係りの人かもしれない。





Vergina_soup
絶品のスープ
 まもなく、パンが入ったバスケットが運ばれてきた。 次に2種類の 厚切りのチーズ を盛ったお皿が運ばれてきた。

 そして、スープが運ばれて来た。 それを見て、思わず、うわーと声がでたほどである。

 ギリシャで、今まで食べてきたものと違うことが一目で分かる。









今までのもと違う
 ・・・ というのは、これまで食べてきたギリシャのスープは、どれも美味かったのであるが、どうも食べ難いものであった。

 その原因はスープ皿にある。 直径が15センチメートルほどしかなく、その分少し深めで、縁が直角形をしており、グラタンの器のような格好であった。

 これがスプーンとの相性が非常に悪いのであった。 最初の内は問題ないが、残り少なくなると、スプーンが器の縁にあたって、すくえなくなるのである。





 今運ばれてきたスープは、いわゆるスープ皿に、それもたっぷりの量があって、色合いも見るからに美味そうであった。 チキンスープといっていた。 非常に薄味なのに、こくがあり、うま味があった。 ギリシャばかりではなく、今までで最高の味だった、といっても過言ではない。







§§ これこそ家庭料理
Vergina_meat
おばあちゃん手製の料理
 パンとスープだけでよかったのであるが、次に運ばれてきたのが、料理の名前は分からないが、ミートボールのトマト煮込みのようなものであった。 ボスのお母さんが作ってくれたものだそうである。

 というのも、最初、Are you hungry? と聞かれたときに、家内が yes ! yes ! などと応えていたようで、それに気を使って、なけなしの料理まで出してくれたのではなかろうか。





 さらに、パスタまで運ばれてきたから驚いた。 こうなると、旦那さんの夕食のメニューに影響したのではと、心配になってきたのである。

 しかし、これぞ究極のギリシャの家庭料理というものであろう。 お客さんが来るからと、前もって準備していたものではないからだ。 思いがけなくも、願ってもない、ギリシャ料理を堪能することが出来た次第である。












§§ 調子に乗って
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コーヒーとデザート
 こうして満ち足りた気持ちで食事を終えたのであるが、また、それ故に、コーヒーとデザートが欲しくなってきたのは仕方がなかろう。

 どうしたものかと迷っていたのであるが、例えレストランでなくとも、コーヒー入れることには問題なかろうし、また、例えレストランであっても、デザートがなければないと言えば済むものである。







 それほど、迷惑なことでもなかろうと思って、頼んでみた。 すると、あたかもレストランでの注文を引き受けるように、二つ返事で持って来てくれた。

 やはり、コーヒーとデザートがなければならない。 また、これ以上のおもてなしは、かってなかった。 その余韻を、こうして楽しむことができたのである。

  食事については、宿代につけて欲しいと頼んだが、これは気持ちだからと、受け入れてはくれなかった。 チェックアウトのときにも頼んで見たが、同じ応えであった。












§§ やはりボスだ
 お別れのとき、ホテルの前で記念写真を撮らせて欲しいと言って、家内がボスと並ぶのを、私がカメラを構えた。 ボスは、それを遮るようにして、道を隔てたお向かいの家の方へ歩いていって、誰かに声をかけていた。

 すると、すぐに若者が現れたので、彼に撮って貰えという。 私は写り負けしそうなので、気が乗らなかったのだが、カメラを渡し、ボスを真ん中に、並んでポーズしたものだった。




 彼女は、きっと若者の赤ちゃんのころから、何かと面倒を見てきたのに違いない。 ・・・ でなければ、あのぐらいの年頃の若者が、言うことを聞く訳がない。

 そういえば、私たちが朝食を摂っているときにも、ポーチに腰掛けて、二人で話しをしながらお茶を飲んでいたのは、相手は向かいのオバサンだった。

 そのボスに、早く写真を送りたいからメールを出せと、我が家のボスに急かされているのだが ・・・ これをアップするまで待ってくれと先延ばしにしてきた。 しかし、もはや、その口実もなくなってしまったことになる。

 cf. どこもボスは同じ?







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