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ハイリゲンブルートは、かってパステルツェ氷河によって造られた渓谷の中にある。 その谷間には、今も氷河を源とする小川が流れている。 その小川の右岸に沿って僅かばかりの平地があり、下流に行くほどに、左岸にも少しずつ平地が現れてきているが、いずれにしても渓谷の中であるから大きくはない。 下の村の家々は、そのような谷間の平地に、主に右岸に沿って細長く点々と連なっている。 当然ながら後は山が迫り、分け入る道すらない。 どちらかというと左岸には平地が少なく、すぐに渓谷の斜面が立ち上がるが、そこを切り欠くように幹線道路が走っている。 そして、上の村というのは、その道路に沿って宿場町のようにして、斜面に張り付いたり、土台を築いて立ち上がったりしているようだ。
近くには、小さな牧場があったり、畑があった。 といっても、小川と道路の間に牛が数頭いるだけである。 対岸の斜面には牧草が広がっていたから、そちらが本格的な牧場であろう。 上の村と下の村を繋ぐものは、上の村から降りて来たときに渡った上流の橋と、この宿のすぐ近くに在る橋だけである。 レストランは、歩いて15分ほどのところにあった。 その横はオートキャンプ場になっていた。 キャンピングカーが数台停めてあった。 大きくて、なかなか立派な建物である。 初めから、ここに決めておけば歩く必要がなかったのであるが、これも縁のものであるから仕方がない。 マスターは、若旦那であるようだが、友人と立ち話が中断できないのか、注文も聞きにこない。 アイコンタクトを送るが届かない。
ツルは、英語ではクレーン crane であろう。 いわゆる建設機械のクレーンというのは、ツルのように首が長いからである。 ところが、私の発音が悪いのか通じないことが多い。 それを、スワン swan と言えば皆さんすぐに納得したから、これまでスワンで済ませることが多かった。 ところが、この人は初めから、これはクレーンか? と聞いてきた人だ。 どこかで見たり聞いたりしていたものを、初めて手にしたときの嬉しさのようなものが、満面に現れていた。
明日は、いよいよ期待の山岳道路に向かう。 あした天気になぁ~れ!
昨日、山小屋から眺めた村の姿よりも、さらに小さくなって、そのシンボルである教会も、今や定かではない。 cf. ハイリゲンブルートの街並み
ハイリゲンブルートの料金所を通ってしばらくいくと、グロスグロックナー山岳道路は分かれ道に出る。 一つは、フッシュ Fusch に到る峠の道で、もう一つは、フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ Kaiser-Franz-Josefs-Hohe に到る道である。 フランツ・ヨーゼフ・ヘーエには展望台があり、パステルツェ氷河 Glacier Pasterze とグロスグロックナー Grossglockner 3,798m の偉容が眺望できるところであり、いわばこの山岳道路の目玉である。 外す訳には行かないが、しかし、登山道は別にして、この道は、そこで行き止まりである。 峠越えをするには、また、この分岐点まで戻ってくる必要がある。 片道 10km 弱であろうか。
一つは、フッシュ Fusch に到る峠の道で、もう一つは、フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ Kaiser-Franz-Josefs-Hohe に到る道である。
【補注】 Grossglockner High Alpine Road のパンフレットより引用 オーストリアの最高峰グロスグロックナーは、東アルプスの中でも最高峰であり、聖なる山 "holy mountain" とされている。 1800年に初登頂された。 1856年に、フランツ・ヨーゼフ皇帝とエリザベート皇后 (愛称シシー sisi) が、この地をハイキングして以来、"フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ" と呼ばれるようになった。 ちなみに、パステルツェ氷河 Pasterze glacier は、東アルプスで最長である。 残念なのは、氷河が大きく後退していることである。 かっては、この展望台の真下まで迫って、ケーブルで降りれば氷河に立つことが出来た筈である。 メール・ド・グラス氷河 シャモニ のように。
【補注】 Grossglockner High Alpine Road のパンフレットより引用 オーストリアの最高峰グロスグロックナーは、東アルプスの中でも最高峰であり、聖なる山 "holy mountain" とされている。 1800年に初登頂された。 1856年に、フランツ・ヨーゼフ皇帝とエリザベート皇后 (愛称シシー sisi) が、この地をハイキングして以来、"フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ" と呼ばれるようになった。 ちなみに、パステルツェ氷河 Pasterze glacier は、東アルプスで最長である。
断崖の下を覗くと直ぐに見つかったが、警戒心も薄いようで、また、動作ものろい。 一匹でいた。 むかし見たモルモットは、ハムスターのようで、大きさも、その程度のものと思っていたのだが、それとは全然違った。 ヌートリアの倍ほどもある。 アルプスマーモットと言うらしい。
屋上に上がると、キバシガラス がいた。 シャモニにもいた。 見た目はカラスであるが、私にとっては懐かしい。 この展望台に併設されている展示室を見学したあと、食堂で軽い食事を摂った。 窓からは雄大な山容が見渡せる。 延々と続く トレッキング・コースも見える。 いつまで見ても見飽きることはないが、峠越えの道も待っているから、腰を上げた。
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