鳥紀行 フランス編 (6)
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cf. 《行程図 フランス編》 参照 § 2004/04/20 (火) パリ 5日目 いよいよ明日から、ノルマンディー方面へドライブ旅行に出掛けるが、その前準備として、今日は、レンタカー会社の所在確認に行く日である。 余計な時間を費やすが、これは、私の流儀である。 当日に、バタバタしたくないし、道路状況も確認しておきたい。 何しろ、レンタカーの 《in/out》 のときが最も緊張するものである。 それが、下調べしておくことによって、自信がつくと言うものだ。 個人旅行となると、やむを得ない時間的ロスかもしれない。 § サン・ジェルマン・アン・レー St Germain en Laye レンタカーの 《out》 は、わざわざ、パリ郊外の西北の地にある サン・ジェルマン・アン・レー という街にした。 パリから、高速郊外鉄道 RERで20分ほどで行ける。 この地を選んだのには訳がある。 理由の一つは、パリの 凱旋門のロータリー だけは避けたかった。 気の弱い人がこのロータリーに入ると、ニ三時間は脱出できず、ぐるぐる回りを余儀なくされると、何処かに書いてあった。
もう一つの理由として、この街は、パリ市民が最も住みたい街の一つであるらしく、小奇麗な繁華街と、お城や広大な庭園と森があるところである。 それこそ、バードウォッチングには都合が良い。 §§ レンタカー営業所が見つからない 高速郊外鉄道 RERの改札を出ると、そこは地下街になっていた。 そして、駅に近いところにハーツ Hertz のレンタカー営業所がある筈である。 それを確認して予約した。 とにかく地上に出なければ方角も、街の様子も掴めないということで、地上に出て見たが、バスターミナルがあり、大きな道の交叉点があり、その向こうにお城が見える。 ところが、このビルを一周したが、それらしき店は無かった。 細い路地にも入ってみたがなかった。 普通、レンタカー営業所は、外周道路に面しているものであろう。 それが見つからない。 このビルの中はショッピング街のようになっていたから、一応、ぐるぐると探し回った見たが、この中にもない。 こうなれば、人に聞くしかない。 眼鏡屋さんだったか、忘れたが、制服姿のお店のおばさんが居たから、ハーツ・レンタカー営業所を知らないか、と聞いた。 そのおばさんは、私の問いかけには応えず、向かいのお店の方へ声をかけ、誰かを手招きした。 すると黒いスーツ姿の青年が現れて、話を聞いてくれた。 おばさんは、英語が話せる人を呼んでくれたようだ 。 中々の好青年で、親切にもゼスチャーも交えて、話してくれるものだから、良く分かった。 これなら、フランス語でも分かるだろう。 表に出て、右に曲がって、直ぐ左に曲がったころにエスカレータがあるだろう。 それを、下ったところにハーツがある、ということだった。 フランス人は気位の高さから、英語がしゃべれても、フランス語しか話さないとか、色々と良からぬ噂を耳にしていた。 また、実際にパリでは、みんなお高くとまっている、と娘の評判も良くなかった。 言われたとおりの道を辿れば、何のことはない、私たちが高速郊外鉄道 RERの改札を出て、直ぐに地下街を上がって外に出たが、それを上がらずに、周りを見渡せば、直ぐ気付いたであろう場所にあった。 まさか地下街にあるとは、考えてもいなかったから、目に入らなかったのであろう。 それにしても、小さな営業所であった。 §§§ 車庫の出口の確認 営業所が確認できたら、次は、車庫の場所と車の出口の確認が必要である。 レンタカーは、車庫が遠くにあれば、営業所まで車を運んで来てくれるが、近くにある場合、鍵を貰って、自分で取りに行くのが普通である。 ここは営業所が地下街にあるので、ここに車を乗りつける訳には行かないだろう。 ということは、車庫もこの近くにある筈である。 注意して辺りを見回すと、直ぐ見つかった。 大体、地下街の構造は良く似たものである。 フランス語が読めなくても、駐車場の入り口と直ぐ分かる。 この中のどこかに、ハーツの車庫があるが、今日はそこまで調べる必要はない。 明日、借り出す時に聞けばよい。 今回、最初に訪問するのは、オーヴェル・シュル・オワーズ Auvers Sur Oise である。 その方面へ向かうには、この駐車場の出口から、どこを曲がって、どの道を通って行くのか、この目で確認しておけば、当日、うろたえることがない。 もちろん、当日も、係員に聞くが、その時も、事前調査の情報が役に立つからである。 目からうろこの、想定外の新ルートの場合が多いが、外れもある。 教えられたとおりに進むが、一方通行に出くわし、思うところに進めなくて道に迷ったこともあった。 この道路の状況を把握するには、その前に、地図を購入しておかなければならない。 もちろん、私が何ヶ月もかかかって作成した、ドライブ地図は持って来てはいるが、ナビゲータの家内は信用していないから、止むを得ない出費である。 それに鳥類図鑑や野草図鑑なども手に入れておく必要がある。 §§§ インフォメーションセンターが見つからない 訪れた町のインフォメーションセンターを訪問するのはお約束である。 市街図やその他の情報が手に入る。 今回は、本屋さんも探さなければならない。 こういう場合、インフォメーションセンターが最適であるが、それが、中々見つからないものである。 ガイドブックの地図どおりに道を行くが、途中で分からなくなることが多い。 最近、大分良くなったが、それでも、地球の迷い方、などと言われたりしているのを見ると、なるほど上手いことを言うものだと、納得したものだった。 何度も、元の場所に戻って、試すが、見つからなかったから、道行く人を捉まえては聞いたりする。 ところが、インフォメーションセンターなどは、観光地でない場合、地元の人は、知らないのが普通であろう。 五六人当たって、やっと知っている人にであった。 色々と、説明してくれるが、分からない顔をしていたのであろう、後を着いてきなさいといってくれた。 結構、立派なインフォメーションセンターだったと思うが、詳しくは、もう忘れた。 それでも、市街図に印を付けてくれた本屋さんは、直ぐに見つけることが出来た。 やはり、インフォメーションセンターだけのことはある。 それにしても、この町は魅力的である。 観光客の多いパリとは違い、若者が多く、地元の賑わいがあった。
§§§ グランド・テラス Grande Terrasse
さらに進むと良く手入れされた森のような公園があり、何本もの小道がその森に通じているようである。
なるほど、グランド・テラスと呼ばれているわけだ。 このテラスの下の芝生や畑や果樹園には、ホシムクドリ、クロジョウビタキ、クロウタドリ、カササギ、それに モリバト もいた。 § ヴァンセンヌの森 Bois de Vincennes サン・ジェルマン・アン・レーの森のあまりの広さに、散策はあきらめた。 それより、未だ時間があるから、ヴァンセンヌの森にあるという動物園に行くことにした。 サン・ジェルマン・アン・レーとヴァンセンヌの森は、ほぼ円形に広がるパリ郊外の、丁度、東西に、お互いが対極をなすように位置するから、近くはない。 それでも高速郊外鉄道 RERで、一時間はかからない距離だ。 娘たちが、未だ小さい頃、よく動物園へ連れていった。 これが中々面白かった。 ところが、子供が大きくなるとともに、自然に足が遠のくことになったが、それは、子供の興味の対象が変わっただけで、私には、未だ、動物園に未練が残っていた。 予想通り、子供連ればかりであるが、京都動物園より、賑わっていた。 また、フラミンゴや各種のカモ類が、同じ池に放たれているが、不思議に金網が無い。 飛べないように羽でも切っているのかも知れないが、自然な感じが良い。 また、フランスで最大級の動物園という、うたい文句であったが、思ったより小さくて、ゴリラやキリンやら値の張りそうな動物はいなかったように思う。 また、動物園の入り口付近にいた ホシムクドリ は、近くで観ると濃緑色に、星を散りばめたような白い斑点があり、なるほど、星の名を冠するに値する鳥であった。 ヴァンセンヌの森は、大きな池もあり、その全貌が掴めないほど大きそうだ。 ここでも、散策する気も失せて、ただ、眺めるのみ。 §§ ホシムクドリ
分類 スズメ目ムクドリ科 全長 (L) 21 cm 学名 Sturnus vulgaris poltaratskyi 英名 Common Starling 良く見かけたが、これほど、色鮮やかだとは思っていなかった。 クロウタドリ を薄汚くしたものという程度の鑑識眼でしか、区別していなかったことを恥じる。 名前の由来どおり、星を散りばめたような鮮やかな斑点がよく似合い、美しい。 糞宿り タイにも、仲間の インドハッカ がいる。 見るからに熱帯の鳥だが、見ればムクドリの仲間と分かるだろう。 ホシムクドリが動物園の入り口に一羽だけでいた。 写真を撮ろうとしてカメラを向けると、気付いてか、何食わぬ顔で遠ざかる。 そして、最後まで目を合わせてはくれなかった。 色眼鏡で見ていたことは、悪かった、と言っているのに。
§§ モリバト モリバトは、サン・ジェルマン・アン・レーにも居たし、ここヴァンセンヌの森にも居た。 この辺りというか、ヨーロッパの森は、日本の森のようではない。 大きな木が多い、よく手入れされた公園と言った方が良いかもしれない。 見た目は美しいが、自然という感じは少ない。 だから、このモリバトも、深山幽谷の森に住むといった感じではなく、どちらかといえば、鳥に興味がない人が見れば、ドバトと区別は出来ないであろう。
分類 ハト目ハト科 全長 (L) 40-42 cm 学名 Columba Palumbus 英名 Wood Pigeon 日本の キジバト (ヤマバト) に感じが似ている。 それに、首の斑紋が特徴的なところも似ている。 これがなければ、ドバトと見間違っただろう。 ただ、警戒心が強いためか、カメラを向けると、直ぐに逃げだしててしまう。 証拠写真が撮れたのは、これだけだった。 公園などで普通に見られるが、群れでいることはないようだ。 cf. スペインのモリバト cf. ドバトの名前の由来 § 明日からドライブ旅行 明日からドライブ旅行が始まるが、未だ、しなければならないことがある。 最終的に、また、パリに戻ってくるが、そのホテルの予約である。 今のホテルに、急遽、5連泊することになったのは、大きな荷物を抱えての移動が大変だったからである。 前述のとおり、メトロ (地下鉄) にエスカレータやエレベータがなかったからだ。 改札からホームへは、必ずあるが、改札から地上にでるものが無い。 ある方が少ないような気がする。 歩いて、5分や10分のところへの移動には、タクシーは使いたくない。 わざわざ日本から予約してきたのは、メトロから近いという点であった。 ところが当てが外れたという訳だ。 だから、帰りは、空港行きのバス停まで歩いていけるホテルを、この目で確かめなければ気が済まない。 日本で調べていた、二番手のホテルへ行ってみることにした。 ホテルは直ぐ見つかったが、今度は、エレベータがないという。 二階や三階の部屋であれば、メトロの階段の方がましである。 困った顔をしていたら、事情を察したのか、私たちの希望の日は、一階の部屋を確保しておくと言ってくれた。 ホテルの中は、パティオになっていて、玄関ホールからそのまま荷物を引いて部屋まで行けるようだ。 早速、予約した。 エスカレータやエレベータに、これほどこだわるのは、余程、大きな荷物だろうと思うかも知れないが、そうではない。 力がないだけである。 中くらいのハードケースと、機内持込ができるほどのキャリーバックにボストンバックを乗せたものだけである。 これ以上の荷物になると、最低クラスのレンタカーのトランクに収まらないからだ。 このハードケースも、家内の頭の中では大きすぎるらしく、スチュワーデスが引いているような大きさのものを二つにしたいと言っていた。 私が力持ちではないことを知っていて、少しでも負担を少なくしてあげたいからという。 それなら、中身を、それに見合ったように、詰めてくれればよいだけである。 ところが、いざ出発となった時には、すでにパンパンで、体重をかけないでは、蓋も閉められない状態になっている。 重いわけだ。 帰りはどうするのかと聞くと、布製のバックを何個か用意しているから大丈夫という。 私が、リュックを背負って、しかも、両肩にバックを襷がけにして、ハードケースを引くスタイルを想像すると、まるで難民ではないか。 重いのは何とか頑張るとしても、格好悪いではないか。
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